東トルキスタン(ウイグル)料理
私の大好きな作家・澁澤幸子先生からお電話を頂いて、「明日、そちらの方へ行きますから、ご一緒しませんか~」というお誘い。きゃーーっ。
澁澤先生は現在イスタンブルに滞在中でらして、2週間ほど前に始めてお会いして、色々と楽しいお話をたっくさんさせて頂いたんです。
イスタンブルに来られた時はいつも泊まってらっしゃるホテル(このホテルがまたすっごく素敵なところなんですよ~)をあちこち案内して下さって、しかも美味しいランチまでご馳走になってしまいました♪
そして、著書を3冊もプレゼントして下さったんです~♪ (※↓の追記で紹介しています)
きゃーん、感激でした!
そして、その後またお会いするチャンスがあったんですけれど、あいにくの子供の病気でお流れになってしまい、で、今回再びお誘いして下さったんです。(嬉)
そして今回は、イスタンブル在住のライター・madamkaseさんと、madamkaseさんのお友達のSさんもご一緒ということで、うひょひょ~、ウキウキ出掛けて行きました!
(下調べ下さったSさんとmadamkaseさんのご尽力に感謝いたします~)
行き先は、なんと、私の地元。うちから歩いて行ける距離に、今回の目的地があったのです。
さーて、どんな所でしょう。
ちょっと珍しい、『東トルキスタン料理』のお店なんですよ!
えっ、東トルキスタン? どこそれ?・・・・ですよね。
現在は中国の自治省となっている〝新疆ウイグル自治区〟のことで、そこに住む人達(ウイグル族)は、自分達の土地のことを、こう呼んでいるんです。
今私の住んでいる区には、この東トルキスタンから移住してきた人が大勢住んでらっしゃいます。
トルコ人は、ウイグル人とは親戚のようなもの。言葉も同じトルコ語系。そして同じイスラム教を信仰している、ということで、受け入れ国として最適なのかもしれません。
ユーラシア大陸の中央と西の端、シルクロードで繋がった濃い関係です。
※東トルキスタンに関しては、こちら を参照して下さい。詳しく載っています。また、ここの国旗(と言っていいのかな)は、トルコの国旗と全く同じデザインで、ベースの色がターコイズブルー。面白い。
さーて、目的のレストランでは、まず、これを食べなきゃ!の、〝ラグメン(Lagmen)〟。
手打ちのおうどんによく似た麺に、羊&牛肉の薄切り、ニンニクたっぷり、ピーマンやジャガイモなどの野菜のピリピリ炒め物をぶっかけて食べるんです。
まず、このように別々のお皿で出てくるんですけれど、炒め物を麺の上にドバーッとかけて。
ひゃーーーーっ、美味しい~!なんだか懐かしいようなお味。ちょっぴり中華っぽくもあり、でもトルコっぽくもあり。そして、辛さが全く嫌味でない。
お箸で食べるってところも嬉しいですねぇ。うわぁ、アジアだよぉ。
オーナーの方(勿論ウイグルの方です)と厨房の女性シェフのご好意で、厨房内も見せて頂きました。
ラグメンを打っているところ。 ↑
中華麺の打ち方にそっくり。とっても素早くビュイーン・ビュイーンと麺が延びてゆく様子は素晴らしかったです。楽しそう~。
こちらは、麺を仕込む様子です。 ↑
さっき、〝おうどんに似た〟と書いたんですけれど、実は作り方を拝見すると、〝素麺〟の作り方によく似ているんですよね。
練り込むときに油を使うんです。そして、手前のお盆の中にあるように、細く延ばしてからグルグル巻きにして寝かします。その時にも油を少量塗っていました。これを、延ばしていって、↑の写真のように細い麺にしていくんです。
わぁ、ウイグルと日本の素麺が繋がっているだなんて、感激です!奈良の三輪素麺の故郷が、あの辺りだったのかと思うと感激ですよねぇ。大陸文化、ここでも発見!
で、次は、〝マントゥ(Mantı)〟という、いわゆる水餃子。かなり大型です。
トルコにもマントゥという食べ物があるんですけれど、これはその原型でしょうか。中央アジア各国でもよく食べられているものなんだそうですし、中華料理の〝包子〟や、ロシアの〝ペルメニ〟などもこの仲間でしょう。
マントゥはまさにシルクロードの食文化を、色濃く表しているものですよね。繋がっていますねぇ~。
中の具は、羊&牛のひき肉。手前の〝ラザ(Lasa)〟という唐辛子ペーストとお酢を付けて食べると、うーん美味!
とっても素朴な味で、中のお肉もジューシー。このラザという唐辛子、オーナーさんがたっぷりとお皿に盛ってくださったんですけれど、辛くて辛くて。ほんのちょっぴり付けて食べるのが精一杯でした。私としたことが.....。
そうそう、東トルキスタンでは、食事の時にお茶が出されるんですよ。カルダモン入りの香り豊かな
お茶で、胃にも良さそう。全員、何倍もお代わりしちゃいました。お茶椀も、東トルキスタンのもの。
こういうお茶碗でお茶をいただけるなんて、ほぉっと和みますねぇ。
最後に食べたものは、こちら。〝チョチェレ(Çöçere)〟というスープ。
これ、中のメインのパスタがイタリアのトルテッリーニにそっくり。これまた、シルクロード食文化を感じさせてくれます。マルコ・ポーロによって中国からシルクロードを通って伝わったんでしょうかぁ。なんだかロマンです~。
唐辛子ベースのとっても辛いスープで、コクもあってハフハフ美味しかったです。
これ、体にもとっても良いそうで、風邪ひきの予防にもなるそうです。体がポカポカ温まって、風邪なんてひかないですよ~。
うわぁ~、食べました~。
途中、オーナーの方のお話も聞きながら(生い立ちや東トルキスタンのこと、ご自身はアーティストだってことetc.)、わいわい楽しく美味しい郷土料理。
シルクロードの奥深さを、今更ですけれど改めて感じることが出来た、午後のひとときでした。
小さい時から憧れ続けている、遥かかなたのシルクロード。その奥深い場所にある東トルキスタンという土地。自分の中の血がまたまた騒ぎ出しています。
いつかきっと自分であの空気を吸ってみたい。あの空気を感じてみたい。あの土にまみれてみたい.....。
ふわぁーーー。
こんな素敵なお店に連れて行って下さった皆様、ほんとうにありがとうございました!
余談なんですけれど、私の住む区には、東トルキスタン出身の人達を始め、中央アジアから移住してきた人達が大勢住んでらっしゃいます。道を歩けば、目の細いアジア顔をした人によく出会います。
食後、お茶をしたカフェで働く女の子二人も、中央アジア系。キルギスタン出身なんだそうです。
子供の通う学校には、カザキスタン系の子供達がいますし、アフガニスタン出身の人達も住んでいるようです。(以前、タクシーの運転手に「アフガニスタンかぁ?」と聞かれたことあり。濃いイメージのアフガニスタンですけれど、中には私達のような薄い顔立ちの人達もいるそうです)
シルクロード界隈からはるばるやってきた人達。トルコとの繋がりをすごーく感じます。
最後に、こちらのレストランの紹介をしておきます。
◆『İpek Yolu Restaurant』 (イペッキ・ヨルとは、まさに訳して『シルクロード』)
Nuripaşa Mah. 60.Sok. N:28/A Zeytinburnu İSTANBUL
GSM: 0536-250-8039
【追記】ご一緒させて頂いたmadamkaseさんのブログでも、詳しくレポートして下さっています。
炎の料理人〝ファイヤー!〟もあり(笑)。 こちらです。
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澁澤先生に頂いた著書。
頂いて、早速、読ませて頂いてます。
『イスタンブール、時はゆるやかに』は、特に有名な本ですよね。
私も、トルコはかなりグルグルとあちこち廻ったことがありますので、もう、臨場感バッチリで、自分も一緒に旅をしているような楽しい気分にさせられています。
そして、歴史が渦巻く小島、キプロスへは、やっぱり行ってみたくなりました。
重い荷物の中に、わざわざ本まで持ってきて下さって、感謝・感激~!
どうも、ありがとうございました!
そして、あぁ、あの時、サインをしてもらえばよかったなぁ.....と今からちょっと後悔しています。澁澤先生、今度お目にかかる時は、是非、サインしてくださいませ~。
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by yokocan21 | 2008-10-24 02:36 | その他料理・飲み物