南東部の広大な風景
6月末とはいえ、トルコ南東部地方は既に夏真っ盛り。灼熱の太陽がガンガン照るつける暑さでした。でもそんな中、道の途中にある素敵な町々を訪ねてきました。
私にとっては随分と以前に訪れたことのある町々で、すごく懐かしくもあって、感慨深い旅となりました。それらの町は、ダンナにとっては初めて訪ねる場所で、前からずっと行ってみたいと思っていた所。
思い出話を聞かせたり(半ば強引に)、新しい発見をしたり、暑さに負けず楽しい旅となりました。
そして、行く先々では、もちろん美味しいものも鱈腹食べて~。
5日間かけての、長距離走破でした。
ちょっと疲れましたけれど、はぁ楽しかった♪
その旅の様子を、数回に分けて紹介していきたいと思います。
で、今日は、序章ということで、走り抜けてきた南東部地方で見かけた風景をちょこっと。
まず、これはどの辺りだったでしょうか。ディヤルバクルからシャンルウルファ(Şanlıurfa)へ向かう途中だったか。ひたすらどこまでも続く大平原。

春には広大な小麦畑となるこの一帯。夏の間はこのような乾いた土地となってしまいます。
今年は、冬から春にかけての雨が少なかったせいで、小麦の収穫が例年よりはるかに少なかったそうです。トルコの水不足、農業に従事する人たちの話を伺うと、切実なものがあります。
南東部地方は大規模な感慨事業(GAP)があるにもかかわらず、主要の小麦が不作となると、かなり痛いんではないでしょうか。世界的に小麦の価格が上がっている昨今、トルコの小麦も上昇の道を歩んでいます。
こちらは、ガズィアンテップ(Gaziantep)郊外のどこまでも続くピスタチオ畑。

郊外の高速道路を走っていると、一面のピスタチオ畑に感動します。この町の有名なお菓子・バクラヴァにもふんだんにピスタチオが使われていますし、とにかくお菓子というお菓子にはピスタチオ!
ピスタチオ好きにはたまらない町なんですよね。
ちなみに、トルコ語でピスタチオのことを、〝アンテップ・フストゥーウ(antepfıstığı)〟。もちろん、この町・ガズィアンテップにちなんで付けられています。
ピスタチオの実のUP。

夏の時期でしたので、実はまだピンク色でしたけれど、これが秋が近づいてくると、だんだんと赤みが増してきてもっと大きな実になります。で、収穫時期の実は、濃いピンク色です。
昔、秋にガズィアンテップを訪れた時には、このピンク色の実をそのまま売っているのをよく見かけました。ピンク色の実は柔らかいので、すぐに剥がせて中の実を取り出して食べるんです。新鮮な実はちょっと苦味があって食べにくかったですけれど、地元の人たちに言わせると、それがとっても美味しい~んだそうです。
余談ですけれど、トルコのピスタチオ生産量は、イラン・アメリカに次いで世界第3位なんだそうです。
こちらもガズィアンテップ郊外。オリーブ畑です。

オリーブといえば、トルコではエーゲ海やマルマラ海南岸が主な生産地なんですけれど、この辺りでもかなり栽培されているようです。
(高速道路を走る車から撮ったものなので、写真、ちょっとぶれてます)
こちらも余談で、トルコのオリーブの生産量は、スペイン・イタリア・ギリシャに次いで世界第4位だそうです。
結構な生産量を誇っているんですけれど、日本ではあまり流通していない感じ。トルコのオリーブもとっても美味しいんで、どんどん日本でも紹介して欲しいところです。
これは、ウルファに近いある町郊外のガソリンスタンドの前を横切る馬車。
愛想のいいおじさん達でしたので、思わず撮ってしまいました。今でも田舎の方では、このような馬車が立派に活躍しているんです。もちろん、普通に車道を走っています(笑)。

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えー、ここからは、いつもの(!)マニアック路線でいかせていただきます。
写真は、『ユラン・カレ(Yılankale)』という城塞です。(訳して「ヘビの城」です)

アダナ(Adana)の東、ジェイハン(Ceyhan)という町の郊外にあって、高速道路からとってもよく見えたので、パチリ。実は、あの城の上まで登ってみたかったのですけれどね、先を急ぐ・・・とのことで断念。
ちょっと遠くてわかりにくいですので、城塞をUPで。

かなり険しい岩山のてっぺんに造られています。
このユラン・カレは、ビザンティン時代に基礎が造られ、11~12世紀に十字軍によって建てられた城塞です。
城塞の中には、数個の部屋や教会、貯蔵庫があり、十字軍と共に、キリキア・アルメニア王国も城塞として使っていたそうです。
この辺りは広大な平野が広がっていて、また近くをシルクロードが通っているという立地から、当時とても重要な役割を果たしていたんでしょうね。
また、アダナ近郊には、このような小さな城塞が他にもいくつか残されているそうです。この辺りは、中世・十字軍時代の重要ポイントだったことがわかりますねぇ。
ところで、このユラン・カレ、中世には『ガヴァラ(Gavara)』と呼ばれていたそうなんですけれど、17世紀に、時のトルコ人大旅行家・エヴリヤ・チェレビ(Evliya Çelebi )は、この土地に伝わるあの伝説の〝シャフメラン〟にちなんで、『シャフメラン・カレシ(Şahmeran Kalesi)』と名付けたそうです。
実は、このシャフメラン・カレシの話は、以前にシャフメランについて調べていた時に、ディヤルバクルの観光局の方に教えてもらっていたんです。なので、アダナが近付いてくると、どこだろ・どこだろ、とドキドキしながら探していたんですよね。
あの雄姿が現れた時は、もう興奮状態で、車の中できゃーきゃー言ってましたっけ。
シャフメランの伝説には、ちょっと気持ちが入っているもので.....。
正直、やっぱり上まで登りたかったんですけれど、ま、こうして遠くからでもあの姿が見られたということは、嬉しいことです!
ということで、南東部地方の風景を少しだけですけれど紹介してみました。
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by yokocan21 | 2008-09-28 07:21 | 旅・散歩