ボドルム・城編
行き先は、港の先にあるボドルム城。
重厚な城&要塞好きの私としては、何度訪れても飽きない場所です。
前々前回の記事でちょこっと触れていますけれど、ボドルム城(別名・聖ペテロ城)は、1437年、ロドス島の聖ヨハネ騎士団が強固な城塞・要塞として建築したものです。
19世紀後半(オスマン帝国末期)には、刑務所として使われていたこともあるそうです。
また、非常時に備え14もの貯水池が作られていたそうです。
今回は、その内部をちょこちょこっと紹介いたします。

このお城全体が博物館になっており、一部は「水中博物館」として、ボドルム近海から引き揚げられた古代の沈没船からの出土品を展示してあります。「水中博物館」というのは、トルコではここだけのものです。


アンフォラ(amphora)と呼ばれるギリシャ・ローマ時代の、両側取っ手付きの壷。(↑)
BC4~6世紀のものが多かったです。作られた場所や時代によって、形が様々。
また、中に入れる物によっても形って、変わるものなんでしょうか...。

この写真はたぶんフランス塔。

イングランド塔は、このライオンの彫刻のため、「ライオン塔」とも呼ばれています。
ライオンは、古代ギリシャ・アルカイック時代(BC750~480年)のもの。
ライオンの上には、イングランド国王・ヘンリー4世の紋章があります。

当時の様子を再現してあります。
面白かったのは、聖ヨハネ騎士団を撃退したオスマン帝国の軍人の武装服を展示してあったことです。
聖ヨハネ騎士団は、本拠地のロドス島を1522年、オスマン帝国の時の大帝・スレイマンに征服されると、この城も手放しました。
(ちなみに、ロドス島での攻防は、塩野七生さんの『ロードス島攻防記』が詳しく、しかもとっても興味深く読み応え十分ですよ)

城から眺めた、ボドルムのマリーナと、その奥・丘の中腹にある古代劇場。(↑)
古代劇場では、最近は有名歌手のコンサートも開催されています。

港の外に停泊していた超大型ヨット(マストが4本!)。しかも2艘も。(↑)
エーゲ海クルーズで寄港したヨットですけれど、この日の夜には2艘とも綺麗にライトアップして、しかも港からよく見えるようにと、グルリと方向転換までしていました。ニクイ演出!

こちらは、引き揚げられた東ローマ帝国の船の復元。(↑)
アンフォラって、このように積み重ねてあったんですね。
この船を展示してある建物は当時のチャペルで、オスマン帝国時代はモスクとして使われていたもの。
この他にも、博物館の目玉的存在の「カリア・プリンセスの石棺」というものがあるんですけれど、展示室は現在改修中だとかで、閉鎖されていました。残念。
カリア・プリンセスというのは、前々回の記事でも触れていますカリア国の王・マウソロスの妹であるアダ女王のこと。豪華な装飾品とともに埋葬されていた様子がわかります。
また、沈没船から引き揚げられた、BC14世紀からAD11世紀までの様々なガラス製品を展示してある部屋もあります。
薄暗い部屋に、繊細に輝くガラスの小瓶などがとっても幻想的です。
そして、こちらも閉鎖中だったのがとっても残念だったのですけれど、なぁんと「拷問部屋」もあるんです。聖ヨハネ騎士団が実際に使っていた拷問部屋です。
で、最後に私のお気に入りたち。
城の中庭には大小色々な彫刻や石棺が展示してあるんですけれど、その中から。
劇用のマスク? と、ひょうきんな顔した魚。


炎天下でのボドルム城散策でしたけれど、中庭には木々も茂っていて、一部の展示室はエアコンも効いていますし、カフェも所々にありますし、青く輝くエーゲ海を眺めながら、中世の騎士団に思いを馳せながらの楽しいひと時でした!
なお、このボドルム博物館のHPはこちらです。
【追記】 その他のボドルム紀行
・ボドルム・紹介編
・ボドルム・ヨットツアー編
・ボドルム・シーフード編
・ボドルム・ナイトライフ編
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by yokocan21 | 2007-08-28 06:13 | 旅・散歩