人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ディヤルバクルのライオンレリーフ

近場の旅行記を書いているところですけれど、ここでちょっと脱線。
いつも楽しく美しいイスラム世界を堪能させて頂いているmiriyunさんのところで、何とも興味深いものを拝見して、ちょっと興奮状態です。今日はその興奮冷めやまぬところで、その気になるものを書いてみたいと思います。

ディヤルバクルにあるウル・ジャーミィ(Ulu Cami=大モスク)は町(旧市街)のど真ん中にあることから、もう何度も足を運んでいるほど、私にとってはお馴染のモスクになっています。(といっても、ただ見学に行くだけですけれどね)
そこで、いっつも気になっていたものがあるんです。

これ、↓ 「ライオンが雄牛を仕留めているレリーフ」。
ウル・ジャーミィの、大通りに面した門の上部・左右に描かれているものです。(写真はその右側のもの)

ディヤルバクルのライオンレリーフ_f0058691_617868.jpg
イスラムは偶像禁止ですので、トルコのモスクのレリーフなどには人間はもちろん動物なども描かれることって、殆どないと思っています。
イランやその周辺では、動物などが描かれていることもよくありますけれど、それはスンニー派とシーア派の違いなのでしょうか。どうなんでしょう。
ここトルコのモスクでは、このような動物のレリーフは、私は見た覚えがないんですよね。なので、初めてこれを見た時はびっくりしました。と同時に、これって一体どこの影響を受けたものなんだろうと、色々と想像が膨らんでいったんです。
それが、今日わかたんですよ~!

miriyunさんのこちらの記事
インド、ウダイプールのピチョーラー湖に浮かぶレイクパレスにある、「ライオンのレリーフ」です。
なぁんと、ウル・ジャーミィのものとそっくりではないですかぁ!
この動物闘争文様は、ペルシアから継承されたものなのだそうです。
へぇ~、ということは、このウル・ジャーミィのレリーフは〝ペルシャ起源〟ですね。

ウル・ジャーミィは、以前の記事で書いていますように、ローマ帝国時代の教会を後にモスクに建て替え、11世紀のセルジューク朝時代、スルタン・メリクシャー(Sultan Melikşah)によって改修されたものです。
この「セルジューク朝」がポイントです。

セルジューク朝はトゥルク系(トゥルクマーン)の王朝ですけれど、建国の地は今のイランですし、その後もイランを中心として栄えた王朝ということで、文化面ではペルシャ色が強いんですよね。
なので、このレリーフもペルシャの影響がものすごくよく表れているということなんでしょうか。
わぁ、すっきりしましたぁ。

で、もうひとつ「ライオンのレリーフ」です。

ディヤルバクルのライオンレリーフ_f0058691_6235165.jpg
こちらは、城壁にあるいくつかの塔の中のひとつ、「七人兄弟の塔(Yedi Kardeş Burcu)」に刻まれたレリーフ。
(写真は、ディヤルバクル県・文化観光課発行のパンフレットより)
真ん中にある双頭の鷲は、セルジューク朝の紋章。
その下に、二匹のライオンと碑文。これらもセルジューク朝時代のもの。

この城壁は、ローマ時代に建設されたものを、11世紀、アルトゥク朝時代に大々的に改修したものです。
城壁には、ディヤルバクルの町を治めた12の王朝それぞれの時代の碑文やレリーフがたくさん刻まれていて、それを見ているだけで、この町の歴史がわかる、ともいわれています。
一度、じっくりと城壁を散策してみたいです。

ディヤルバクルには、この他にもライオンのレリーフはいくつかあるようです。それらはまた今度、ということで。
今日はなんだか酔狂な記事になってしまいました。(って、いつもこの調子ですか)
物好き記事にお付き合い頂いて、ありがとうございました。


ブログ・ランキングに参加しています。ポチッと応援よろしくお願いします♪

海外生活ブログへ


☆人気blogランキング☆

ディヤルバクルのライオンレリーフ_f0058691_6471119.gif

by yokocan21 | 2007-06-03 06:30 | ディヤルバクル  

<< ファヴァ(乾燥ソラマメのペースト) ハサンケイフ紀行・続編 >>