キュルテペ・アッシリアの展覧会
『アヤ・イリーニ博物館(Aya İrini Müzesi)』で行われている展覧会とは、これ。
『キュルテペ カニシュ―カルム(Kültepe Kaniş-Karumu)展』。
キュルテペとは、カイセリ(Kayseri)から北東5㎞のところにある遺跡です。
カニシュ王朝の中心地・アッシリアの商業の中心地として栄えたコロニーで、1948年から発掘が続けられています。キュルテペは、出土した粘土板によると、昔の名を「カニシュ(Kaniş)」または「ネシャ(Neşa)」といい、アナトリアからシリアを通ってメソポタミアへと至る重要なポイントであったため、特に紀元前3000~2000年にかけて、商業および芸術のコロニーとして重要な役割を果たしてきました。
今回の展覧会は、アンカラのアナトリア文明博物館、カイセリ博物館、そしてイスタンブル考古学博物館の蒐集品より、496点が展示されています。
では、展示品をいくつか紹介します。超私好みのものばかりですので.....。館内はフラッシュ禁止のため、照明の関係で写りの悪いもの、またガラスケースに反射して見にくいものがありますけれど、ご了承を。
アヤ・イリーニ聖堂(博物館)のアーケード(回廊)部分が展示場になっています。

左:牛(?)ブタ(?)の顔付きの水がめ。(BC.1830~1700年)
右:牛さんがいっぱい並んだ壺。 (BC.1830~1700年)


左:頬紅のケース。 (BC.1830~1700年) 当時も今も必需品。
右:小さなベル。鈴。 (BC.1830~1700年)


左:しゃれこうべの飾り物。(BC.1830~1700年) 黄金のシートで偉い人のしゃれこうべを飾ったようですね。 ひゃーっ!
右:ゲーム盤。 (BC.1950~1835年) あの時代のチェスのようなもの?



かなり小さいんですけれど、当時の人達って、小柄だったのでしょうか。
表面に描かれた動物が可愛かったんで、UP。

二つ口のボックス。(BC.1950~1835年) 目と鼻があって、口をあんぐりと開けているような.....可愛い♪ 何を入れていたのか、むっちゃ気になるぅ。

動物の姿のリュトン(酒杯)。 (BC.1950~1835年) 犬? オオカミ?

水差し。(BC.1950~1835年) 注ぎ口が二つって、実用的!? 使ってみたい!

ピッチャー。 (BC.1950~1835年) ↑の水差しとセットか?

船形のリュトン。 (BC.1950~1835年) 他の粘土細工のようなリュトンとは違い、かなり精巧な出来です。クリックすると拡大します。

粘土板。 (BC.1950~1835年) これは、「スズ(錫)とロバの輸送に関する文書」。このような楔型文字の粘土板が大量に出土しているようです。

このキュルテペでは、これまでに25000点もの粘土板が出土しており、アッシリアや地元の商人の活動の様子や、管理、法体制、芸術に信仰に関する事柄が記されているようです。
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当時の人たちは、今よりももっと自然と共に生きていたんだなぁ、というのがよくわかりました。特に、身近にいたであろう動物たちの写実の上手さ! そして、へたウマな粘土細工の可愛いことといったら~! いや、粘土細工だなんて失礼ですね。立派な芸術作品。
それぞれに表情があって、生活の豊かさを感じられます。
キュルテペという一つの遺跡に関しての展示は、ちょっと珍しいかもしれません。
展示は、3月28日まで。月曜日休館。9:00~17:00まで開館です。なお、入場料は無料。
館内はフラッシュ撮影禁止です。
なお、ご一緒したmadamkase さんのブログでも、詳しく紹介されていますよ。
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by yokocan21 | 2011-01-26 20:15 | 旅・散歩