サバンジュ博物館と決勝戦の雑感
実は、もうすぐ日本へ里帰りしますので、それまでにやっておかないといけない所用が諸々。時間の使い方が下手なんで、こんなブログでさえも更新が滞りがちです。
えー、熱い戦いのワールドカップも終わり、すでに数日が過ぎ、本当は書きたいこといーーーっぱいあるんですけれどね、そこはググっと押さえて(笑)っと。
では、本題。
この話題、実はもう1ヶ月も前のことです。(新鮮味なくて、すみません)
仲良くさせて頂いている、madamkaseさんと一緒にお出かけした時のこと。
行き先は、『サバンジュ博物館(Sabancı Müzesi)』。
トルコの大財閥・サバンジュ家が所有していた瀟洒な邸宅を改装して作られた博物館です。

「アトル・キョシュク(Atlı Köşk)」、訳して「馬の館」は、1927年、当時のエジプト総督の別荘として建築されたオスマン朝後期様式の建物です。一時期、モンテネグロ王・ニコラ 1世が所有していた時期もあります。
1950年に、当時のサバンジュ家の当主が購入し、住居として使用していました。
2002年に、豪華な内装や家具・食器類などは展示物となり、サバンジュ大学の付属博物館としてオープンしました。
常設展では、サバンジュ家の初代と2代目の当主が蒐集した美術品を展示しています。
中でも、〝ハット(Hat)〟と呼ばれるカリグラフィーの圧倒的なコレクションには目を見張ります。オスマン帝国時代に描かれたカリグラフィーが、なんと400点も。
その他、19世紀から現代までの主にトルコ人画家のものも展示されています。
この博物館では、常設展の他に、内外からの芸術品を定期的に招聘・展示するという、トルコでは珍しく画期的な催しも行っています。
今回、展示されているのは、『Efsane İstanbul: Bizantion'dan İstanbul'a - Bir Başkentin 8000 Yılı (「伝説のイスタンブル:ビザンティンオンからイスタンブルへ-ある首都の8000年」)』。
うっひょーっ。ビザンティン♪
私たち、その展示のことは知らずに訪ねましたので、入り口に立って、小躍りいたしましたよ~。というのは、その時は、常設のカリグラフィー(トルコの「書」)と共に、日本の有名な先生の「書」が展示されていて、私たちはそちらを観たくて行ったので、企画展の方は全くのノーチェックだったんです。
ところがーーー。その日本の「書」は、やっぱり、さっぱりわからず。(凹)
オマケに付いてきたような企画展の方に、やられてしまったのです。
この企画もの展示、すっごく面白かったんです! 何がって、あの長い長い歴史を綴るビザンティン帝国の、文化・芸術をくまなく網羅した展示なのですよ。オスマン帝国もビザンティン帝国も好きな、私の心を鷲掴みにする展示物に色々と出会ったのです。
madamkaseさんもビザンティン帝国好きでらっしゃって、ちょっと覗いてみよう.....程度に思っていたものが、なぁんと2時間もじっくりと見学してしまったほど。
この博物館は、全館撮影禁止ですので、写真で紹介できないのが残念。
まぁ、とにかく内容バッチリで全く飽きない構成。ビザンティン好きには、うひょうひょの展示でした。
中でも、個人的に「うわぁーーーっ!」と思ったのが、この二つ。
まず、『ヘビの柱』に付いていた、三匹のヘビの頭の内の一つが展示されていたこと。
『ヘビの柱』とは、スルタンアフメットにあるヒッポドロム(競技場)跡・トルコでは「At Meydanı(馬の広場)」に置かれている、らせん状になった青銅製の柱のこと。
紀元前479年にペルシャ軍に勝ったのを記念して、ギリシャ・デルフォイのアポロ神殿に奉納されていたものを、コンスタンティヌス1世が運んできたものです。
元は三匹のヘビがからまり、先には三匹の頭がありました。その三匹のヘビの頭は、第4次十字軍によって持ち去られ、その内の一つは現在イスタンブルの考古学博物館に収められていると聞いていました。
で、その考古学博物館のあるヘビの頭が展示されていたのです。
青銅製のその頭は、それだけでもかなりな大きさで、でもヘビの恐いイメージは全くなく、むしろ柔和な感じさえ受けました。
そして、もう一つの感動はこれ。『ヴェネツィアのブロンズの4頭馬』。
これもヒッポドロム(競技場)絡みで。当時のヒッポドロムには青銅製の4頭の馬の像があったそうですけれど、第4次十字軍の時にヴェネツィアによって掠奪されました。その後、ナポレオンによってパリへ持ち去られましたけれど、ナポレオンの死後、サン・マルコ教会に戻って来たようです。
その「ブロンズの4頭馬」が、デーンと展示されているのですよ。この4頭の馬は等身大なんだそうで、さすがに迫力満点。なかなかに可愛いお馬さん4頭でした。
なお、このブロンズの4頭馬については、こちらのブログで丁寧に説明されていました。

もちろんレプリカ。この博物館の敷地の入り口横に設置されています。
ところで、話が前後しますけれど、「馬の館」と呼ばれる所以となったものが、「馬の銅像」。
敷地内には馬の銅像が2体あり、上の写真のものと、もう一つは屋敷の前面に置かれたもの。
そのもう一つの銅像の方は、1950年にこの館を購入した際、当時の当主のオメル・サバンジュ氏が、フランス人彫刻家・ドゥマ作の馬の彫刻を屋敷の前に設置したため、この名で呼ばれているそうです。
お庭の写真を色々と撮ってきましたので、その様子でも載せますね。緑豊かな広大なお庭には、四季それぞれに綺麗なお花が見事に咲き乱れています。
その時は、ちょうどアジサイ(Ortanca)が満開でした。坂道に連なるアジサイのピンクや紫・水色の花は、トルコの空にもとってもよく映えます。


春に、綺麗な濃いピンク色の花を咲かせた後は、豆のような実がなります。
赤いのが、実。
これからどんどん色が濃くなって、夏の終わりには茶色い実になります。
西洋ハナズオウについては、こちらで特集組んでます。
ザクロ(Nar)の花。ただ今、イスタンブルではザクロの花が満開。街の結構あちこちに植わっています。

菩提樹(Ihlamur)の花。柔らかく、ほのかに甘い香り。トルコでは、ハーブティーとしても、よく知られた花ですね。葉っぱ同様、咳によく効きます。街路樹としても、たまに見かけます。

ジャスミン(Yasemin)。とっても爽やかで甘い香り。
横を通っただけでも、うっとり~。うちの近所には、このジャスミンの生垣のアパートがあるんですけれど、その道を通る用事がなくっても、わざわざ通りたくなる程に素敵な香りです。


オスマン朝時代の泉ですねぇ。
香り高いジャスミンと、優美なデザインの泉の見事なコラボ。

トルコでは、なぜかハスの花もよく見かけます。
ジャスミン同様、ハスの花も、女性の名前にもよく使われます。
で、最後は、博物館の前から見た、ボスフォラス海峡と対岸(アジア側)と、第二ボスフォラス大橋。

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☆ 祝・スペイン ☆
やっぱり、スペインは強かった~!美しきパス・サッカーの醍醐味を味わわせてくれてありがとう~。
スターティング・メンバーの殆どがバルセロナの選手という、変わったタイプのスペイン代表。普段から慣れ親しんだチームメイトと代表でも戦えるというアドヴァンテージは、あったと思います。
いつもバルサで見せてくれている、あの『芸術的』とも言えるパス回しが、決勝戦でも見事に花咲きましたよね。オランダは、かなり激しいタックルをしてでしか止めることが出来なかったです。(実際、ファウルは数知れず。イエローもいっぱい)
そして、バルサの、スペイン代表の「心臓」とも言える、シャビ! 私の大好きな選手なんですけれど、あんなにスルスルとパスを出せるって、一体、どんな運動神経、どんな頭の回転なんでしょう~。素晴らし過ぎます!
それに、ここ一番での決定力バツグンなイニエスタ! またまたやってくれましたーーーっ。
スペインは、勝利にふさわしい戦い方をしましたよね。守って守ってカウンター狙いのオランダにも少々チャンスはあったけれど、あの試合内容からすると、断然スペイン♪
私、代表チームとしては昔から好きだったオランダを応援していたんですけれど(オランダって、本来は美しいパス・サッカーを披露するチームなのです~)、いやぁ、スペイン、ブラヴォー~♪
そして.....。
ゴールを決めた後の、イニエスタのアンダーTシャツ。亡き友、ハルケ選手への思いが込められていたんですね。(エスパニョールで俊輔くんともチームメイトだったハルケは、昨年、心臓発作で亡くなったのです)
それと、表彰式でセルヒオ・ラモスが掲げていた、プエルタ選手の顔をプリントしたTシャツ。こちらも、今は亡き友への思いが込められています。(ラモスの前チームメイトだったプエルタは、試合中に心臓発作を起こし、治療も空しく逝ってしまいました)
そんな選手たちへの、それぞれの思い.....。ああいう光景を目の当たりにして、試合とは全く別な部分で、感動してしまったのです。(私は、どちらの選手もTVで観て知っていましたし、亡くなった時の報道ももちろん知っています)
あぁ、なんだか色んな部分で感動のあった決勝戦でした。
ちょっとだけのついもりが、やっぱりごちゃごちゃ書いちゃった.....。
P。S。 ドイツの敏腕占い師・タコのパウルくん、またまた当てちゃいましたよ~。お見事!
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by yokocan21 | 2010-07-15 09:56 | 旅・散歩