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エルズルムのオルトゥ石

エルズルム(Erzurum)ネタ、引っ張ります。

トルコの古い町では、大概、その地ならではの工芸品が作られています。
ここエルズルムの工芸品といえば、オルトゥ石(Oltu Taşı)が特に有名。
オルトゥ石は、エルズルムから北東に100kmほど行った小さな町・オルトゥ(Oltu)の郊外で採れる、光沢のある真っ黒な石です。

オルトゥ石は、ここオルトゥ近辺でしか採れない貴重な石で、埋蔵量も少ないらしいです。なんて事を聞くと、一体どんな所で掘っているんだろう~と、興味は湧いてくるもの。
昔、エルズルムを訪ねたついでに、そのオルトゥの町までも出掛けてきました。(ほんと、物好き)
採石現場を見てみたいなぁと思ったんですけれど、地元の人いわく、採石現場のある山は急斜面で、とてもじゃないけれど普通の車では登っていけない場所だと言う.....。でしたので、残念ながら諦めました。はぁ.....。

それでは、私の私物を公開しながら、オルトゥ石を紹介してみます。

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これは、〝テスピフ(Tespih)〟という、数珠のようなもの。イスラムのお祈りの時に使います。(私はお祈りしませんけれど)
テスピフは33玉か99玉のものがあり、これは33玉のもの。

一目惚れして買ったもので、一つ一つの玉に細かいシルバーの細工がしてあります。

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テスピフの先の房の部分は、シルバー製。
鎖状に編見込まれた房の先には、ブドウでしょうか。すごーく細かい細工。

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テスピフのUP。
写りが悪いんですけれど、シルバーで細かい象嵌細工(Gümüş Kakma İşlemesi)が施されています。

f0058691_19295480.jpgこちらは、ピアス。


このように、オルトゥ石はアクセサリーやテスピフによく利用されています。

まぁ、とにかく細かい細工のものが多くて、見ていて楽しいです。



ところで、オルトゥ石は琥珀の一種のようです。火を近づけると激しく燃えるという性質があるようです。柔らかい石なので細工がしやすく、また、使っている内にどんどん光沢が出てくるようです。
ただ、この石を利用してきた歴史はまだ浅く、約200年前に遡るくらいなんだそうです。
今のような綺麗な細工を施したアクセサリーなどを作り出したのは、共和国になってからということですので、トルコの工芸品としては、まだまだ新しい部類のものですね。

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今回、記事を書くのに調べていると、こんなに素敵なアクセサリーに出会いました。(画像、こちらより拝借)写真、クリックすると拡大します~。まぁ綺麗~! そして、欲しいなぁ。


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エルズルムで、オルトゥ石を見たい・買いたいというならば、是非訪れてみたいのが、こちら。
リュステムパシャ・ケルヴァンサライ(Rüstempaşa Kervansarayı)。別名・タシュハン(Taşhan)。 (画像は、エルズルム県のサイトより拝借しました)
旧市街の一角にある、旧隊商宿を改装した商店街です。
ここは、貴金属や装飾品のお店がずらーりと軒を連ねていて、見ごたえたっぷりでした。
お店の奥では、職人さんがオルトゥ石を削ったり細工したりされていて、そういいう光景を見せてもらえるのも、楽しかったです。 ↓
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また、重厚な石造りの建物は、かのスレイマン大帝(Kanuni Sultan Süleyman)時代に宰相として活躍した、リュステム・パシャ(Rüstem Paşa)が造らせたものです。1544~1561年の建立ということです。


エルズルム県のサイトを見てみると、オルトゥ石についてとても詳しく載っていました。そして、最近は人気の石ということもあってか、ニセモノも出てきているそうですので、《続き》でニセモノの見分け方も書いておきますね。
黒い石ですので、特に華やかさはないけれど、でも、あの光沢と、施された細工の美しさに惚れ惚れ~♪ 
ちょっと珍しいオルトゥ石の紹介でした。


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《続き》
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by yokocan21 | 2010-03-12 19:54 | アート  

エルズルム・大自然

引き続き、エルズルム(Erzurum)
エルズルムは人口50万人の都市なんですけれど、その郊外には、牧歌的な風景が広がっていました。
トルコの内陸部といえば、乾燥した茶色い大地が広がっているイメージがありましたので、その緑豊かな大地はとても印象に残っています。
ですので、車で走っていて、「うわぁ~」と思えばパチリッとやっていたわけで、エルズルム近郊の写真は、意外と多く残っています。(その時の旅は、友人とレンタカーを借りて、トルコの大地を走り抜けていたのでした)

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まず、これは今でもキョーレツに印象に残っている風景。
この国道沿いに、ずらーりとポプラ(Kavak)が並んでいて、それはそれは感動しました~。私の中のイメージでは、〝ポプラ並木〟というのは中央アジア的光景。広大な大地とポプラという、憧れの光景に出くわし、かなりな興奮状態でした。

この写真を撮った近くのトウモロコシ畑のあぜでは、おばさん達と小さな子供達が、お昼ご飯を兼ねたピクニックをされていまして、私たちをその輪の中に入れてくださいました。こういう親切は、トルコではよく遭遇します!
お茶をよばれるなんてのは、日常茶飯事。お昼をよばれたり、はたまた晩ご飯をよばれたこともあります。旅人を快く受け入れてくれるのは、トルコ人の、しかも田舎へ行けば行くほど、その親切は身をもって感じます。

この地方では、夏の終わりにはトウモロコシがよく採れるのだそうで、茹でたて熱々のトウモロコシや、茹でたジャガイモ、トウモロコシの粉で作ったケーキなどを、チャイ(トルコの紅茶)と一緒によばれました。
おばさん達の興味津々な質問攻めと、子供達の容赦ない視線の中、これがねぇ、すごーく美味しかったのです!
あの新鮮な空気の中で頂くと、普段より倍以上美味しく感じるのは、当たり前~。

なお、雲がとっても近くに感じますよね。これは、エルズルムが標高2000メートル位の高地にあるからなんです。とにかく空が近くって、夜なんて満点の星空~★ 星たちに手が届きそうでした!

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こちらは、郊外のとある村。
国道をとぼとぼ歩いていた農作業帰りのおじいさんを、家まで送ってあげました。そのおじいさんの村がこちら。
雪深い地方ならではの、急斜面な屋根。そして、長い冬を越すだけの大量の家畜用の干草がデーンと積まれた様子も、とても印象的。
村の中では、放牧から帰って来た牛たちがうろうろ。で、大勢の牛がいれば、当たり前といえばそうなんでしょうけれど、牛のウンチの臭いがキョーレツ~。
トルコの牛を飼っている村では、牛のウンチを燃料代わりに使いますので、夏の間、外で乾かしておくのです。ですので、この辺りではどこの村でも、牛のウンチが壁一面に貼り付けられていたりで、かなーり凄い臭いが漂っていました。
そして、そのおじいさん、私達を家の裏の畑まで連れて行って、「何だろ?」と思っていたら、ささっとキュウリを採ってきて、ドッサリくれました。とぉっても甘い美味しいキュウリ!今でも覚えています。

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こちらは、ガチョウを飼っている村。
ガチョウは、いい値で売れる家畜です。このような広大な草原に、ガチョウ達がガァガァとウロウロ。
この村では、アザミに似た植物の根っこ(!)をよばれました。村の娘さんたちが屋外で輪になって裁縫をしてたので、近付いてみたら、おやつにどうぞ、っと。仕方がないんで食べてみたら、、、、、味は全く覚えていません。
ちなみに、この村も牛臭が凄かった~。

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こちらは、エルズルムの街より100~150km 離れたあたり。
赤っぽい岩山と、その前に広がる羊や山羊の放牧地。どこまでも続く牧草地帯に、気持ちまでゆ~ったりしてきます。雲がやっぱり、近いですねぇ。
後ろの山、低そうに見えますけれど、実は結構高い山なんだと思います。この辺りは、2000メートル級の海抜です。

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親子ロバ。子ロバちゃん、こっち見てますよ~♪
↑の放牧地の一部では、ロバも放牧されていて、皆一生懸命、草を食んでいました。

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こちらは、エルズルムから北東方面に走った国道で出会った光景。
干し草を運ぶ少年と牛車。
トルコの田舎では、子供も貴重な労働者。畑や放牧地で、子供の姿をよく見かけました。小さな男の子が、立派に牛を御す姿は、なんとたくましいんでしょう。



これらの写真を撮った旅は、もう15年以上も前のこと。
トルコも、近代化は地方とはいえドンドン進んでいますから、私が訪ねた村も、徐々に変わっていっているかもしれません。
でも、今でも、のんびり・ゆったりとした、そして温かい人達のいる村は、健在だと思います。(というより、そう思いたい)
豊かなトルコの大地と、そこに暮らす温かい人達を感じていただければ、嬉しいです。
(ただ、写真が古くて、しかもスキャンしたものですので、ショボショボですみません)


∮ 我らが寛平ちゃん、ただ今エルズルムを通り越して、もっと東の方を走っています。
一時は、連日マイナス20℃の真っ白な世界を走っていましたけれど、今はちょっとはマシなのだそうです。地元の人たちの温かい歓迎を受け、楽しそうですよ。
私も、車で走ったことのある懐かしい光景が写真や動画で見ることが出来て、応援しながら、懐かしさに浸っております。
公式サイトでは、トルコ東部の広大な大地と厳しい冬の様子も見れますよ。


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by yokocan21 | 2010-02-11 18:04 | 旅・散歩  

トルコの吟遊詩人・アーシュク

昨年の記事になりますけれど、トルコ東部のエルズルム(Erzurum)という町の〝ジャー・ケバブ〟を紹介しました。その時、エルズルムの写真を色々と見ていて、はぁ.....とっても懐かしくなりました。

そこで、私のお気に入りの写真と共に、エルズルムをちょっと紹介してみたいなと思います。ただ、この写真でのエルズルムは大昔・15年ほども前のことですので、ご了承下さいね。(写真をスキャンしていますので、画像が粗いです)

いつもなら町の歴史などを書いていくのですけれど、今回はパス。こちらで詳しく書かれていましたので、参照下さい。この町も、トルコの古い町ならではの様々な歴史を背負った町なのです。ビザンティン帝国時代からの、とても歴史ある町です。

歴史もさることながら、私が好きなのは、あの町の深々(シンシン)とした佇まい。2度訪れたことがあるのですけれど、その2度とも夏の終わり。普通なら、深々だなんて言葉も浮かばない季節ですけれど、何故だかそういう言葉が浮かんできました。
というのも、標高が2000メートル位ある高地に開けた町で、夏でも高原特有の、朝晩が涼しいという(いえ、寒いくらい)気候も関係あるのかも。そして、敬虔な人の多い町で、古いモスクや神学校などもたくさんあり、とても落ち着いた雰囲気が印象に残っているから、かもしれないです。

今回は、滞在中にホテルの人に薦められた、ある場所を紹介します。
そこは、夜な夜なオジサン達が集まってくる、ある場所。(怪しい所じゃないですよ)

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こういう感じで、お店の真ん中に即席ステージを設けた(って、これ、テーブルです)、『民謡喫茶』なのです。
エルズルムの旧市街の一角にある、何の変哲もない、普通のオジサン御用達喫茶店ですけれど、毎晩、アーシュク(Âşık=吟遊詩人)の演奏があります。
ここエルズルムは、アーシュクの中心的都市で、有名なアーシュクも数多く輩出しているらしいです。

演奏されるのは、〝トゥルキュ(Türkü)〟と呼ばれる、いわゆる民謡。
楽器は、サズ(Saz)またはバーラマ(Bağlama)(※注)と呼ばれる、竿が長く胴体の丸い、弦楽器のみ。
民謡といっても、各自の持ち歌もあれば、吟遊詩人ならではの即興曲もあり。詩の内容も多岐にわたっていて、世界情勢や経済状況、はたまた歴史的なことなどなど、浪曲風の単調な旋律ながら、聞いていて飽きなかったです。
【追記】 《そして、このサズという楽器、これがいい味出しているんですよね。奏でる人によって、音が全然違って聴こえてきます。激しくかき鳴らされるかと思えば、優しく滑らかな調べを奏でたり。時に野太い男性的な強い調子、また時には女性的な柔らかい調子、と、演奏者によって様々な表情を見せてくれるんです。》


また、その日は、この写真のアーシュクともう一人アーシュクが出演され、二人で掛け合いもされました。(紹介しています画像は、掛け合いの模様)
同じ事柄を、二人で掛け合いながら、たぶん韻も踏みながら、演奏される様子は凄く迫力もあって、当時のよちよちトルコ語をもってさえ、ぐいぐい引き込まれていきました。
チャイ(=トルコの紅茶)を飲みながら、そうして、夜はゆっくりと更けてゆくのでした。(ちなみに、このお店には友人と一緒に行ってきました)

ところで、このアーシュクという吟遊詩人。
その昔は、サズを肩から担いで、まさに村から村を歩いて演奏・歌っていたそうなんですけれど、今ではそのようなことはないそうです。現在は、このような地元の喫茶店や、コンサートで演奏されているようです。
有名なアーシュクは、テレビ出演したり、カセット(当時のトルコはカセットが主流でした)を出したりと、活躍の場も、昔とは随分と変わってきているようです。
また、アーシュクは、もともとペルシャあたりから伝わってきたもののようで、お隣のアゼルバイジャンでも盛んなんだそうです。そんな背景もあって、トルコ・イラン・アゼルバイジャンからアーシュクの代表者たちが集まって、一緒に掛け合い演奏をやるというイベントもあるそうですよ。(そういうの、見てみたいなぁ)

こんな拙い説明では、いまいちわかりにくいですよね。で、↓で、この写真のアーシュク・Âşık Nuri Çırağı(アーシュク・ヌーリ・チュラーウ)さんの演奏を聴けますので、どうぞ。
ちなみに、このÂşık Nuri Çırağıさんは、この喫茶店の店長さんでもあります。なお、この演奏は、外国(西洋)文化に侵食されつつあるトルコの現状の嘆き節を歌っています。


そして、もうひとつ。その当時、むっちゃ有名だったというアーシュク・Âşık Reyhani(アーシュク・レイハーニ)の演奏も。↓

(トルコ在住の方、YOUTUBEを観れる環境でお願いします)

エルズルムには、サズの専門職人さんもいらして、その工房にもお邪魔したことがあります。
工房は町の中心部にあって、おじさんが一人で黙々と作業をされていました。(あぁ、あのおじさん、どうされているのかなぁ.....)
サズは、全て手作業なんだそうで、ものによっては細かく豪華な細工も入っていて、それは見事な職人技でした。(お店の写真がなくて残念)
「アーシュクの喫茶店に行ってきたよ~」なんて言うと、凄く喜んでくださって、色んなお話を聞けました。
サズの材料は、マツのような針葉樹だとか。(ただ、当時のトルコ語力では、その木が何の木なのかまではわからず)
エルズルムには、サズ職人は、そのおじさん一人だということ。
日本からもサズの注文を受けて、特別に製作したこと。(日本はトルコと違って湿度が高いため、材料の木の選別に苦労したことなど)
物を作っている人のお話は、いつも面白いです。私、トルコでも何処でも、職人さんや何かのクリエーターさんとお話することが、大好きなのです。


で、その喫茶店には、後日またお邪魔することになったのです。
そのときは、アーシュクの出演者が、何と5人!すごかったです~。いやぁ、お得でした。
喫茶店はチャージは払いますけれど、安いもので(当時のレートで100円位!)、飲み物はチャイのみというシンプルさ。
来場者の殆どはおじさんですけれど、中には子供や孫連れの人もいて、和やかな雰囲気でした。エルズルムの子供達は、小さな頃からアーシュクに慣れ親しんでゆくのでしょうね。

トルコから古くから伝わる(おそらく10世紀頃には、その原型が出来ていたそう)、アーシュク(吟遊詩人)。
決して華やかなものではないですけれど、いつの時代も民衆の心をとらえ、渋い活躍を続けられています。
こういう伝統芸能って、トルコも例外なくどんどん演奏者も減っており、伝承していくのが大変だと思います。トルコのテレビでも、お目にかかることは多くはありません。
こんなに伝統のある、そして魅力的な伝統芸能が、いい形で継承されていくことを願ってやみません。


※注   サズ(Saz)・・・・・バーラマ(Bağlama)ともいい、ジュラ(Cura)、タンブル(Tambur)など、トルコ伝統音楽を奏でる弦楽器の総称。
ジュラ(Cura)は小型のもので、タンブル(Tambur)は竿の長いタイプ。また、竿も長く胴部分も大型のものはディワンサズ(Divan sazı)という。一番標準的なサイズのものを、サズ(Saz)・またはバーラマ(Bağlama)と呼んでいる。詳しくは、こちらに載っています。


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次回は、エルズルムの大自然~。
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by yokocan21 | 2010-02-07 07:48 | 旅・散歩