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チー・キョフテへの思い

大好きな〝チー・キョフテ(Çiğ köfte)〟について、ちょっと思うこと。
ディヤルバクルにいた頃は、街を歩けばチー・キョフテを売っているお店にしょちゅう出会っていたんですけれど、ここイスタンブルは、そんなことはありません。まぁ、そりゃぁそうでしょう。ここはチー・キョフテの本場ではないですから。
それでも、繁華街などでは、チー・キョフテの専門店が何軒かあったり、ショッピング・モールの中にも専門店があったり。勿論、ケバブ屋さんに行けば大概はチー・キョフテがあります。うちの近くにも、チー・キョフテの専門店があります。
ところがです。私の住むカドゥキョイ(kadıköy)という区では、チー・キョフテの真骨頂とでもいうべき『生肉』、その生肉を使っていないものが売られているんです。どういうこと~?

お店の人に聞くと、生肉を使うのは衛生上好ましくないとか、作り置きすると痛むのが早いとか、そういうことを問題視して、行政が禁止しているんだそうです。
ですので、カドゥキョイ区にある専門店で見かけるチー・キョフテは、「肉なしチー・キョフテ」。 (ケバブ屋さんでは、作りたての「肉有りチー・キョフテ」が出て来ますよ)

この「肉なしチー・キョフテ(Etsiz Çiğ köfte)」、お店によっては、肉有りのものと変わらない美味しさを出しているところもあるんですけれど、だいたいが納得のいかない代物.....。
うちの近所のデリカテッセンのが一番美味しいんですけれど、なかなか需要がないのか、最近は見かけることがなくなってしまいました。あぁ.....。

ディヤルバクルでは、ちょっと食べたくなった時には、お持ち帰りやデリバリーのサービスがあって、とっても気軽に美味しい「肉有り」チー・キョフテが食べられたんですけれど、今は、そんなこと、夢のよう。
美味しいチー・キョフテが食べたくなったら、わざわざケバブ屋さんにまで出かけていかなくては。もしくは、カドゥキョイ区以外の「肉有り」を売っている地区へわざわざ出掛けて行かなくては。

あぁ、手軽にチー・キョフテが食べられていたディヤルバクルが恋しいです。

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※写真は、南東部のカフラマンマラシュ(Kahramanmaraş)出身の、ダンナの知り合いの方が作って下さったチー・キョフテ。ご実家の自家製のトマトペーストと赤唐辛子ペーストが入っています。一番右端のものは、特別に辛いもの。


ところで、ウンチクいっちゃいます。
チー・キョフテの成り立ち」。今まで何故か書くのを忘れていました。チー・キョフテは、何度も何度も登場しているというのに。

時は、預言者・イブラヒム(アブラハム)が生きた時代。
イスラム教ではイブラヒム生誕の地とされている、ウルファ(Urfa・正確にはシャンルウルファ)でのこと。
イブラヒムは、時の暴君・領主ネムルートや民衆が信仰する偶像崇拝を嫌い、次々とそれらを破壊していました。一神のみを崇拝するものだと主張するイブラヒムに、領主ネムルートは怒り、彼を火焙りの刑に処することを決めます。
そして、火焙りに使うための薪を町中から全て集めるという令を発します。
そんな時、ウルファに住むある狩人が、ガゼルを仕留めて家に帰ってきます。
ところが、料理に使う薪が、家の中はおろか町中から姿を消してしまっています。ガゼル肉をどうして料理したものか。
狩人の奥さんは考えた挙句、ガゼルの腿の脂身のない部位を切り取り、石の上に乗せ、もう一つの石でその肉を潰し始めます。挽かれた肉に、ブルグルと唐辛子、塩を混ぜ、捏ねます。青ネギとパセリも加えます。
こうして、ウルファの町でチー・キョフテが生まれたということです。
(シャンルウルファ県発行の年鑑を参照しました)

その後のイブラヒムの伝説は、こちらの記事に書いております。
ただ、この伝説って、あくまでも伝説なわけで。当時の領主ネムルートがいたのは、コンマゲネ王国時代のはずですけれど、イブラヒムがいたと言われている時代(紀元前20世紀頃)とは、あまりにもかけ離れているんですよね。


そして、遅れましたけれど、チー・キョフテってどんな食べ物?
直訳して、「生の肉団子」。
チー・キョフテ用に特別に挽いてもらった挽き肉、ブルグル(挽き割り小麦)、トマトペースト、赤唐辛子ペースト、玉ねぎの摩り下ろし、ニンニク、パセリ、コショウ、それにイソットというウルファ特産の赤唐辛子粉末などを捏ねて作ります。小1時間、捏ねるでしょうか。かなり力のいる作業。
ウルファやディヤルバクルなど地元の家庭では、大きな塊をデーンとテーブルに置いて、各自すくって食べるというワイルドなこともあるんですけれど、お店では、一握りサイズで出て来ます。
ラワシュという薄いナンのような生地に包んだり、ロメインレタスに包んだり。そのとき、パセリや青ネギ、ルッコラ、ミントの葉も一緒に包み、レモンを絞って食べます。


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これは、ディヤルバクルの市場で売っていた、チー・キョフテ用のタライ。家庭用の小さなものから、業務用のでっかいものまで色々。

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参考として、チー・キョフテを捏ねるの図。


ちなみに、チー・キョフテ関連の記事。
さらーっと説明
チー・キョフテ大会
前菜として
ディヤルバクルでのラマザン時



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by yokocan21 | 2010-04-24 06:15 | トルコ料理  

ケバブとカトメル

久しぶりにケバブ登場。といっても、食べに行ったのは、もう2週間以上も前です。
ガズィアンテップ(Gaziantep)のケバブと郷土料理を出すレストランです。うちからも割と近い場所ということもあって、お気に入りのケバブ屋さん、〝Çanak(チャナック)〟。

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ガズィアンテップの郷土料理といえば、これ。干しナスのドルマ(Kuru Patlıcan Dolması)
挽き肉の入った、酸っぱ味のあるピリ辛ドルマです。自分でもよく作りますけれど、やっぱりプロの作るものは、一味違う~。ここのは、特に美味しいんです。適度な酸っぱさと程よい辛さ。干しナスと中のお米の柔らかさも絶妙。


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もう一品、前菜。マッシュルームのサラダ (Mantar Salatası)
普通のレストランだと、単にオリーブ油&レモン汁&塩の味付けですけれど、ここはガズィアンテップ料理、ピリッと辛味が効いています。これ、あっさり食べやすいし簡単なので、自分でもたまに作ります。


f0058691_17181897.jpgそして、メインが来るまでに、ちょっと腹ごなし。ラフマージュン(Lahmacun)
薄~いピザ生地のような皮にスパイシーな挽き肉や微塵切り玉ねぎ、トマトソースなどを乗せて、石釜で焼いたもの。

後ろに見えているのは、『アイラン(Ayran)』。塩味のヨーグルトドリンク。

どちらも、もうこのブログで何度も登場している、私の定番中の定番。


このラフマージュン、南東部地方の名物料理で、以前住んでいたディヤルバクルでも専門店があったほど。石釜で焼いた生地がパリパリ、そしてもっちもっちしていて、とっても美味しかったのです。
ここイスタンブルでも、ケバブ屋さんでは定番だし、専門店もあちこちにあるんですけれど、「これ」というものにはなかなか出会えません。
電気の釜(オーブン)で焼いたものだと、あの独特のパリパリ感がないし。また、挽き肉やトマト・玉ねぎなどの具も、絶妙な配合というものが、なかなかに難しいものなんでしょうか。

でも、このお店のは、とっても美味しい!これだけ食べに来たいくらい。

で、ラフマージュンって、どういう意味なんだろう.....と以前から思っていたのが、最近判明しましたので、忘れない内に書いておきます。(ちょっと調べればすぐにわかりました)
アラブ語で、〝lahm(お肉)〟ü(と)〝macin(こねた生地)〟という言葉から来ているのだそうな。
ほぉ、なるほど。なので、アラブに近い(というか隣)の南東部のお料理なんですね! ということで、アラブの国々(シリアやイラクなど)にも同じようなものがあるんだそうで、そして、何故かアラブとは遠いはずの、アルメニアやグルジアにも、同様のものがあるということです。
色々と繋がっているんですよね。

ちなみに、以前載せたものの中から、
ウルファのラフマージュン
ガズィアンテップのラフマージュン
ディヤルバクルのラフマージュン

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そして、メインはこちら。
このレストランのオリジナル・ケバブなんだそうで、チャナック・ケバブ(Çanak kebap)
ピスタチオやパセリなどの入った挽き肉のケバブと溶けるタイプのチーズを、ラワシュ(Lavaş)という薄い生地で包み、焼いてあります。
かなりなボリューム。この後に、ドカーンというデザートが控えていましたので、これはダンナと半分こしました。
真ん中にあるのは、水切りしたヨーグルト&ピスタチオのパウダー。
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UPで。
ちなみに、生地に、ゴマと一緒に振りかけてある黒い粒々。これ、黒ゴマではないです。
チョレッキ・オトゥ(Çorek Otu)〟というもの。英語では〝Nigella Sativa Seeds〟だそうで、ちょっと苦味のある、でも爽やかな香りのする種です。
トルコでは、ピデ(Pide)という薄いパンや、ポーアチャ(Poğaça)という白チーズなどに入った塩味パン、塩味のクッキーなどによく使われます。

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そーして、ドカーンなデザートはこれ。ガズィアンテップ名物、カトメル(Katmer)
写真は、ウエイターさんが4分の一に切ってくれたものです。一つが、直径25cmもあろうかという巨大なもの。
向こう側が透けて見えるほどに薄~い生地を何層にも重ねて、ピスタチオのパウダーと砂糖とカイマク(Kaymak)という濃厚クリームを挟んで、焼いたもの。表面がテカテカしているのは、多分ハチミツだと思います。

ピスタチオが惜しげもなく使われていて、とってもリッチなデザートです。その分お味は、すっごーく濃厚。この生地がまた、パリッパリで美味しいんですよねぇ。カロリー気にせず、わしわしいっちゃいました~。

以前、ガズィアンテップで食べてハマってしまったものの、「これ」というものに出会えなかったのが、このお店で出会ってしまったという代物です。
そうそう簡単には出会えないデザートで、カドゥキョイにある有名ケバブ屋にもあるんですけれど、あそこのは、全く納得のいくものじゃぁなく。あの本場で食べたものを探し続けていた時に見つけたのが、このレストランだったというわけなのです。
このレストラン、店名にも「Kebap & katmer」と謳っているくらいですから、むっちゃ自信のあるものなんでしょう。
いやぁ、「はったり」ではなかったということ。

週末の昼下がり、美味しいものをタラフク食べて、ほぉんと幸せでした♪


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これは、そのレストランの前で売っていたスイカ。 夏の間、このようにトラックの荷台で産地直送風にスイカやメロンを売っているのを、よく見かけます。
ひょ~っ、もうスイカですかぁ。イランからのものなんだそうです。


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by yokocan21 | 2010-04-19 17:24 | トルコ料理  

ヒヨコ豆のサラダ

↓の記事で紹介しました、ヒヨコ豆のサラダ(Nohut Salatası)
ヒヨコ豆を茹でさえすれば、あとは刻んだハーブ類を混ぜるだけ~、という至って簡単なもの。

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これ、サラダとはいっても、ヒヨコ豆がたっぷりなので、ちょっとしたおかずにもなりそうです。爽やかハーブとレモンたっぷり、これからの季節にぴったりです!
ヒヨコ豆ちゃんのホクホク美味しさがたっぷり♪ 豆ラー魂が揺さぶられます~。

では、レシピ。

♪材料 (4人分)

・ヒヨコ豆     カップ1
・トマト       1個
・パセリ      10本ほど
・ディル      10本ほど
・青ネギ      1~2本
・オリーブ油    大さじ3
・レモン汁     大さじ1
・塩         適量 


♪作り方

①まず、ヒヨコ豆は洗って、一晩水につけておく。
②ヒヨコ豆を茹でます。私は圧力鍋を使うので、だいたい20分。普通の鍋だと、1時間以上はかかります。
③トマトとハーブ類を刻みます。トマトは小さく切り、パセリ・ディルは微塵切り、青ネギは小口切り。
④ボウルで、オリーブ油・レモン汁・塩を合わせ、冷ましたヒヨコ豆と③のハーブ類を混ぜる。
以上でーす。

ヒヨコ豆は、缶詰(茹でたもの)も売っていますけれど、乾燥豆を戻して使った方が、断然美味しいです。


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by yokocan21 | 2010-04-15 16:18 | トルコ料理  

ヒヨコ豆七変化

大好きなヒヨコ豆
トルコでは、これなしでは語れないほど、色んなお料理に使われたり、おやつとして食べられたりと、大活躍です。
そんなヒヨコ豆にスポットを当ててみました。

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もうそろそろ出てくるかなぁ、と思われる、ヒヨコ豆の若いの
トルコの青空市場では、このような若いヒヨコ豆が枝付きのまま売られていることがあります。このブログでも、何度か登場していますので、覚えて下さっている方いらっしゃるでしょうか。
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こちらが、サヤに入ったヒヨコ豆。薄緑色が、とっても可愛い♪
トルコ人のように、このまま生で食べても美味しいし、さっと湯がいて塩を振って食べると尚美味しい。

ディヤルバクルの青空市場では、春から初夏にかけて、枝ごとヒヨコ豆をよく見かけたものですけれど、こちらではどうなんでしょうか。うちから青空市場は、ちょっと遠いものの、そろそろチェックしに行ってみましょうか~。

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このヒヨコ豆、生のものや乾燥させたものは、〝Nohut(ノフット)〟と呼ばれるんですけれど、炒ったものは、〝Leblebi(レブレビ)〟といいます。 このレブレビ、トルコ人の大好物~!
一口にレブレビといっても、色んな種類がありますので、代表的なものをちょこっと紹介してみます。

f0058691_210463.jpgまず、黄色いのは、〝Sarı Leblebi(サル・レブレビ)〟。訳してもそのまんま「黄色いレブレビ」。
端的に言えば、ヒヨコ豆を炒ったものなんですけれど、その作り方はかなり複雑なようです。

簡単に説明すると、乾燥ヒヨコ豆を特別な機械で炒って、ズタ袋に入れて冷まして.....という工程を2度繰り返し、次は水に浸して、また炒ります。
そして、薄皮を剥いたものがサル・レブレビ。

ちなみに、この写真のものは、このサル・レブレビをもう一度炒ったもので、〝Çifte Kavrulmuş Leblebi(チフテ・カヴルムシュ・レブレビ) 〟と言います。
ナッツ類を売るお店の前では、このチフテ・カヴルムシュ・レブレビを炒っているのをよく見かけるんですけれど、すっごくいい香りが漂っています。

f0058691_21194.jpg白いのは、〝Beyaz Leblebi (ベヤズ・レブレビ)〟。訳して「白いレブレビ」。
サル・レブレビを作る工程で、最後に炒る時に薄皮を向かずに作ったものが、これ。
サル・レブレビは、もそもそした感じで歯ごたえのないのに対して、ベヤズ・レブレビは、ポリポリと歯ごたえがあって、私はこちらの方が好き。


f0058691_2114260.jpgこちらは、砂糖をまぶした〝Şekerli Leblebi(シェケルリ・レブレビ)〟。
見た目、コンペイトウのようですね。
写真のものの他にも、緑や青なんかもあって、子供に人気のレブレビです。


この他に、チョコレート味のもの、チリ味のものなども見たことがあります。

余談ですけれど、レブレビといえば、アンカラよりやや北東に行った、チョルム(Çorum)という町の特産品。チョルムには、それこそレブレビ屋さんがたくさんあるそうで、何種類ものレブレビを扱っているんだそうです。
うちの義母の両親は、そのチョルム出身で、なんと苗字に「レブレビ」が付いているんです。何とも、チョルムらしい。

~ *** ~ *** ~ *** ~ *** ~ *** ~ *** ~ *** ~ *** ~ *** ~

次は、ヒヨコ豆を使ったお料理を。

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まずは、フムス(Humus)! (写真は、以前の記事のものを使いまわし)
私の大好きな前菜です。詳しくは、以前の記事を参照ください。
暑くなってくると、このフムスにパン、白ワインで十分かも.....というくらい。

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そして、今回は、これを紹介。
ヒヨコ豆のサラダ(Nohut Salatası)
これも、暑い季節の我が家の定番です。ハーブが入って、レモンの効いたさっぱりサラダ。
ただ、力尽きてきましたので、レシピは次回ってことでご了承下さい。

このほか、お肉と一緒にトマト味で煮込んだトルコ家庭料理の定番とか、フダン草などと一緒に煮込んだものなど、ヒヨコ豆って、大活躍なのです。

で、最後に、この可愛いヒヨコ豆で作ったパンも紹介いたします。
長くなりますので、《続き》 へどうぞ~。


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《続き》
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by yokocan21 | 2010-04-13 20:53 | トルコ料理  

ヒディヴ・カスル

前回記事の続きです。
チューリップを見学に行った、ヒディヴ・カスル(Hidiv Kasrı)、または〝フディヴ・カスル(Hıdiv Kasrı)〟。
アジア側の、第二ボスフォラス大橋を少し北に行った、チュブックル(Çubuklu)という地の小高い丘に建つ瀟洒なオスマン朝時代の邸宅です。

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           白い塔が印象的。

オスマン朝後期の1907年、当時のエジプト知事(総督)でもあった、アッバス・ヒルミ・パシャ(Abbas Hilmi Paşa)が、「夏の家」として建てたもの。設計は、イタリア人のデルフォ・セミナッティ(Delfo Seminati)。
アッバス・ヒルミ・パシャは、「フディヴ(Hıdiv)」(※)という称号をオスマン朝から与えられていたため、この邸宅を、「〝フディヴ(Hıdiv)〟の〝夏の屋敷(Kasrı)〟」と言われています。

20世紀初頭のエジプトは、オスマン朝の支配下にはあったものの、次第にイギリスの影響力が強くなってきた時代。エジプト知事・アッバス・パシャは、オスマン朝の援助を得るため、長期に首都・イスタンブルに滞在することとなり、「夏の家」の邸宅を建設しました。
ちなみに、「冬の家」は、こちらで紹介しています、〝ムスル・アパルトマン(Mısır Apartmanı)〟。

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       建物を横から。ここはカフェになっています。

建物は、当時トルコでも流行だったアール・ヌーヴォー様式で、ルネッサンス時代の別荘をイメージしたものだということです。

後ろ部分は、なだらかな曲線になっていて、屋根の下の部分は全てレリーフが施されています。
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f0058691_433329.jpg前庭のチューリップ。


f0058691_435943.jpg玄関。


f0058691_444059.jpgファサードの上部。

うっとりするほど美しいフルーツのレリーフとお花の装飾。

装飾は、ゴールド・メッキだそうです。


f0058691_451771.jpg装飾部分のUP。

柔らかいお花の絵と、イスラムちっくなゴールドの装飾が、見事にマッチ。

柱(?)の先には、ゴールドのチューリップが。



f0058691_454543.jpg玄関内側の扉。
エミール・ガレ風のブドウの葉っぱ。


f0058691_462474.jpg噴水のあるホール部分の天井は、ステンドグラス。


f0058691_4653100.jpg内部は、現在レストランとして使用されています。
そのレストラン部分のランプ。


この邸宅は広大な林に囲まれています。その林の中には遊歩道が整備されていて、木漏れ日の中、時々木の間からのぞくボスフォラス海峡を眺めながら散歩できます。
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ボスフォラス海峡をゆく貨物船。白い塊が2つあるのは、雲。
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と、こんなに素敵な建物なんですよ。
庭園のチューりップや春の花たちを愛でながら、美しいアール・ヌーヴォーの邸宅を見学。そして、林の中で美味しい空気をもらいながらの散歩。とまぁ、春のうららの昼下がりは、こうしてまったりと過ぎていったのでした。

ところで、このヒディヴ・カスルのその後の歴史を少し。
オスマン帝国の援助も空しくイギリスとの交渉は上手くいかず、また第一次世界大戦にオスマン帝国が参戦し破れたため、エジプトは独立したものの事実上はイギリスの支配下に置かれることとなり、アッバス・パシャはフディヴの称号を剥奪され、1931年、スイスに亡命しました。
だけれど、アッバス・パシャの家族はその後も、ここヒディヴ・カスルに住み続けました。
1937年、イスタンブル市がこの邸宅を購入。しかし、長い間放置されたままの状態でした。
1984年に、トルコ・ツーリング自動車クラブが修復し、一時期はプチホテルとして使われていました。
1996年には、またイスタンブル市の所有するものとなり、現在に至っています。


20世紀初頭といえば、オスマン帝国もその支配下のエジプトも瀕死の状態。そんな時代にあってなお、この豪華な邸宅を建てたという財力と根性にあっぱれ。
そして、オスマン帝国と自身の国・エジプト、双方が崩れかけてゆく様を、このパシャは、どのような思いでボスフォラス海峡を眺めたのでしょう。


※ フディヴ(Hıdiv)・・・・・オスマン朝の支配下にあった、エジプトの知事(総督)を代々世襲制にするという制度が1867年に出来、その称号がフディヴ。初代フディヴは、アッバス・パシャの祖父にあたる、イスマイル・パシャ(İsmail Paşa)。 フディヴとは、ペルシャ語で「偉大な大臣」という意味。


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by yokocan21 | 2010-04-09 04:32 | 旅・散歩  

チューリップ♪

ここ数日、イスタンブルはポカポカ陽気で、いい気分~。
そんな恰好の行楽日和の週末、家族で、お花を見に行ってきました。今、イスタンブルで、この時期咲き乱れているチューリップ

現在、イスタンブルでは、市の主催する『イスタンブル・チューリップ・フェスティヴァル(İstanbul Lale Festivali)』が開催されています。イスタンブルの主な広場や公園が、チューリップでいっぱい~!
今年で5年目を迎える、このフェスティヴァル。チューリップの原産地・トルコの威信にかけた(?)大々的キャンペーンでもあるんですよね。
ちょうど観光シーズンの到来に重なるこの時期、トルコの玄関口・イスタンブルの街中を色とりどりのチューリップで艶やかに飾るというイベント。私たち在住者にとっても、訪れる観光客にとっても、とっても楽しいものとなっていると思います。

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では、この日曜日(4/4)に見てきたチューリップの色々と紹介。
場所は、アジア側・第二ボスフォラス大橋(※)をボスフォラス海峡沿いにちょっと北に行った、丘の上。〝ヒディヴ・カスル(Hidiv Kasrı)〟。
ボスフォラス海峡を見下ろす林の中に建てられた、オスマン帝国末期のアールヌーヴォー調の邸宅です。
ヒディヴ・カスルについては、次回説明するとして、今日のメインはチューリップ。

その邸宅の広大なお庭が、一面、チューリップをはじめ春のお花で敷き詰められていました。

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赤いチューリップと、紫のムスカリのコラボ。

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ムスカリとミツバチ。

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一部、咲き揃っていないものもありました。満開には、若干、早かったようです。

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色とりどりのプリムラ。

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プリムラの絨毯でグラデーション。

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海峡を挟んだ対岸は、エミルギャン(Emirgan)とイスティンイェ(İstinye)。

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木立の向こうに、第二ボスフォラス大橋。


どぉどーーっと、こんな感じでした。
春の陽気の昼下がり、ゆったりとお庭を散歩。そして、敷地内に広がる広大な林の中の遊歩道も散歩して、美味しい新鮮な空気をたっくさん吸って、気持ちのいい一日でした!

なお、『イスタンブル・チューリップ・フェスティヴァル』は、今月18日まで開催中。

※ 第二ボスフォラス大橋は、トルコでは、「ファーティフ・スルタン・メフメット橋(Fatih Sultan Mehmet Köprüsü)」と呼ばれています。


トルコのチューリップ。これには、ちょっとした歴史もありありますので、その辺は、《続き》↓↓↓にて。



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《続き》
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by yokocan21 | 2010-04-06 04:57 | 旅・散歩  

紅葉スモモ(べにばすもも)

このお花、何でしょう?
桜?    アーモンド?

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パッと見た感じ、桜ですよねぇ~。でも、ピンク色がちょっと濃いので、もしかしてアーモンド?みたいな。
えぇ、私も、今まではそう思っていたんです。でも、どちらも間違い。

紅葉スモモ(べにばすもも)というそうです。または、〝ベニスモモ〟。

私は、初めて聞く名前です。
昨年あたりから、かな~り気になっていましたので、ちょっと調べてみました。
これ、周りのトルコ人は、殆どの人が「アーモンド」といいます。なので、私もすっかりそれを信じきっていたわけで。
でも、アーモンドの花って、調べてみると、枝から花へと続く「柄」の部分が桜のように長くはなく、花が枝に直接付くような感じで咲いているんです。桃の花の付き方に似ています。しかも、桃の花のように、まとまって付いています。
まず、この部分がアーモンドとは絶対に違う、と思いました。
そして、よく見ると、赤茶色い葉っぱが出ているんですよ。アーモンドの葉っぱって緑色ですので、ここも違う点。

次に、桜・説。
木の幹や枝が、まず桜とは違います。そして、やっぱり、この赤茶色い葉っぱ。桜って、花が咲き終わる頃、葉っぱが出てきますので(しかも、緑色の葉っぱ)、これもまた違う、と。
ただ、「山桜」というものがあって、山桜は花とほぼ同時に茶色い葉っぱが出てくるそうですので、もしや、、、と思いました。が、山桜の葉っぱは、夏近くになると緑色に変わっていくらしいですので、やっぱり、違う。
この紅葉スモモの赤茶色い葉っぱ、夏になっても茶色いまんまなのです。そう、赤茶色い葉っぱが、わさわさと付いているんですよ。まるで、紅葉したみたいに。

ということで、私なりに導いた結果が、〝紅葉スモモ(べにばすもも)〟です。
花が咲くのと同時に、赤紫っぽい茶色の葉っぱも出てくるのが特徴で、↑でも書きましたように、その葉っぱは秋までそのまんま付いています。そして、実は、なんと食べられるそうなんです。うはは、夏になったら、採りにいこう~。
ちなみに、英語では〝Cherry plum〟。トルコ語は、わかりません。(ご存知の方、ヘルプ~)
以上、ごちゃごちゃと考察。

では、この〝紅葉スモモ〟、うちの近所にも咲いていますので、そちらをちょこっと紹介。

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近くの海岸沿いに広がる公園
その一角に、このような可愛い並木道があるんです。桜並木ならぬ、「紅葉スモモ並木」。
まぁ、ほんの10メートルほどの遊歩道沿いなんですけれど、なんとなく優雅な気分に浸れます。
そよ風が吹くと、可愛い花びらがはらはらと舞い、そんな木々の下を通り抜けるって、ちょっと舞子さんや演歌歌手の気分。
この並木道の下を、行ったり来たり.....。こんなことしているのって、私くらいですけれどね。


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こちら、お花のUP。
写真を撮ったのは2日前なんですけれど、その日は快晴で、とっても気持ちよく、絶好のお散歩日和でした。でも、昨日・今日と、また曇天。花曇りというのでしょうか。もしかしたら雨降るかも、という感じ。


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その並木道を反対側から。向こうに見えるのは、海。キラキラ眩しい~。


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この海岸沿いの公園には、ジョギングコースやスポーツ用具の置いてある場所も何ヶ所かあって、健康志向の人たちは、汗を流しておられます。この写真で見えるのは、かなりハードなトレーニングをする人達用のもので、鉄棒や腹筋台、平行棒などが設置されています。
この遊歩道&公園、お掃除も行き届いていて、平日は人もまばら、ということで、恰好の散歩コース!


ところで、紅葉スモモについて、詳しいサイトがあります。こちら

また、アーモンドとの比較として、凄いサイトを見つけましたので、参照ください。『神戸観光壁紙写真集』というサイトなんですけれど、アーモンドのお花が圧巻。
神戸にこんなにアーモンドの花が咲いているとは、知りませんでしたよ。私、大学が神戸なんですけれど(しかも、この場所に結構近いかも.....)、全くのノーチェックでした。って、私が大学生の頃に(大昔!)、このような並木道があったのかどうか。


そして、過去の間違ったことを書いてしまった記事も、訂正しておきました。
アーモンドに間違い記事
桜に間違い記事


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by yokocan21 | 2010-04-01 17:11 | 普段生活