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マルディン紀行・1

1年前の記事で「トルコ南東部をディープに迫る」なんて豪語しておきながら、実際にはなかなか迫りきれていないのが現実です。
そこで、もうだ~いぶと前に訪れた町を書いてみることにします。1回目は、この町に引っ越して来てすぐ2004年の秋、2回目はその次の年2005年の秋に訪れました。
トルコ南東部地方でも特にイチオシな町、マルディン(Mardin)の紹介です。

ちょうど卒業旅行シーズンでもありますし、もし興味&時間がありましたら、是非とも訪ねて頂きたい素敵な町です。卒業旅行といえば、私が初めてトルコの地を踏んだのが、遠い昔の卒業旅行だったんですよね~。感慨深いものがありますね。

では、マルディン紀行の始まりです。

私の住むディヤルバクルから南に約90km。荒野や岩山を眺めながら約1時間、マルディンの町に到着です。
岩山に張り付くように建てられたベージュ色の家々がとっても印象的。まるで町全体が要塞のようでもありますね。(↓)
ちなみに、この岩山の町は旧市街で、今は山の麓に新市街が出来ています。旧市街の方は、まるで中世にタイムスリップしたかのような趣のある落ち着いた町並み。新市街の方は、トルコのどこででも見かけるようなアパートが立ち並ぶモダンな様相です。

マルディン紀行・1_f0058691_0242438.jpg
マルディンも町の歴史は相当に古く、紀元前4500年頃までさかのぼるようです。そう、〝メソポタミア文明〟の地なのですよ!この辺りの歴史については、「マルディン県のサイト」をご覧になって下さい(英語です)。

そしてマルディンといえば、教会の多い町としても有名です。
キリスト教徒がこの町に住むようになったのは、3世紀頃。〝シリア正教会徒〟です。その後アラブ人に支配されたり、トルコ系民族のセルジューク朝やアルトゥク朝、そしてオスマン朝にも支配されたりとイスラム化がどんどん進んでいきましたが、今でも少数ではあるもののシリア正教会徒が住んでらっしゃいます。
トルコ語で『シュリヤーニ(Süryani)』と呼ばれる彼らは、自分達の言葉(シュリヤーニ語)も持っており、マルディンで訪れた教会や修道院の聖書はみな、シュリヤーニ語(文字も独特なもの)で書かれているものでした。

※耳慣れない〝シリア正教会〟については、こちらを参照して下さい。

こちらは、『Mor Behnam Kilisesi(モル・ベフナム教会)』(別名『Kırklar Kilisesi(40人教会)』。
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5世紀の建立だそうです。400年前の木製の壁がん(niche gate)や、1500年前の根で染色したカーテンもあるそうですが、どれがどれなのか、わからなかったです...。内部はとってもシンプルで、手描きのイコンがあったり、こじんまりとした可愛らしい雰囲気でした。地元の人々と共に歩んできた、温かい感じのする教会でした。すみません、内部の写真ないです。
1170年に、40人の殉教者たちの骨をこの教会に埋葬したことから、「40人教会」と呼ばれています。
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      ↑ 教会の外壁のレリーフ。

そしてマルディンには、教会や修道院に奉納するイコンを手描きで作ってるおばあさんがいらっしゃいます。
そのおばあさんの家系は代々手描きイコンの作者だそうで、お宅にお邪魔すると色んなイコンを見せて頂きました。白地の布に、色鮮やかなキリスト像が描かれていて、とっても親しみやすい可愛いイコンです。(こちらも写真なしです)


こちら教会の近く、旧市街・住宅地の路地裏。マルディン紀行・1_f0058691_029735.jpg
旧市街は、メインストリートを一歩入ってしまえば、このような狭い路地がくねくね、迷路のように張り巡らされています。町の喧騒からはほど遠く、静かにゆったりと時間が流れていました。
時々、見事なレリーフで飾られた家もあったり、マルディン観光に路地裏巡りは欠かせないですね。

    
これで、第1回マルディン紀行を終わります。(第2回に続く)

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by yokocan21 | 2007-02-28 00:36 | 旅・散歩  

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